■コマ大数学科161講:Doing Math in English Part2
「なんで英語でやらされるのか、わからない」とガダルカナル・タカがぼやいていたが、「英語で数学」の第2弾「たけしのコマ大数学科」(※第1弾は、こちら)
問題
A hexagon with consecutive sides of lengths 2,2,7,7,11 and 11 is inscribed in a circle. Find the radius of the circle.
問題を読み上げてほしい人は、上の問題文をコピーし、下記サイトの「Enter Text」にペーストし、「Say It」ボタンを押してほしい^^;

(日本語訳)
円の内側に隣り合う各辺の長さが、2,2,7,7,11,11の六角形が描かれている。その円の半径を求めなさい。
コマ大数学研究会は、高円寺にあるインド料理店「ギータ」に向かった。インドの準公用語は英語、しかも、あの天才数学者ラマヌジャンを輩出した国。数学が得意なはず(?)。問題文を日本語に翻訳してもらい、ついでに問題を解いてもらう作戦。しかし、それではコマ大の仕事がなくなるので、お店の場所を借りての検証開始。
同じ幅の板を、2,2,7,7,11,11cmに切り、六角形を作り、各辺の角度を自由に動かせるように繋げる。そして、その上から漏斗を使い、粉を落とし六角形に外接する円を描くという、なんだかよくわからない実験。
爺もFlashで挑戦したが、六角形の最初の辺と最後の辺をつなげることができず、さらに、わけがわからんものになってしまい、途中で挫折><;
コマ大生の出した答えは「9cm」。
●マス北野&ポヌさんの解答

マス北野は、問題文のとおりの六角形を描き、円の中心点から各頂点へ線を引く。これら三角形の斜辺は、外接円の半径なので、これを求めればいいのだが……。いろいろな補助線を引いて幾何学的に求めようとしたが、結局、わからず、最後は勘で、だいたい「9cm」という答え。
●東大生の解答

小橋りささん、岡本麻希さんの東大生チームは、辺の長さが2,2,7,7,11,11cmで円に内接しているわけだから、2,7,11の3つで半円になると考え、図を描いた。
△abeと△dceは相似で、比率は、2:11
△bceと△adeは相似で、比率は、7:2r(直径)
ここから、各辺の比率を求めた。
be:ec=2:11(*7)=14:77
ec:ed=7:2r(*11)=77:22r
ae:ed=2:11(*2r)=4r:22r
be:ae=7:2r(*2)=14:4r
be:ae:ec:ed=14:4r:77:22r
円周角の定理で∠abdと∠acdは90度(直角)。三平方の定理を使い
△abdにおいて、∠b=∠R
(ad)^2=(ab)^2+(bd)^2……(1)
△acdにおいて、∠c=∠R
(ad)^2=(ac)^2+(cd)^2……(2)
(1)式、(2)式により、
(ab)^2+(bd)^2=(ac)^2+(cd)^2……(3)
(ab)^2+(be+ed)^2=(ae+ec)^2+(cd)^2
2^2+(14+22*r)^2=(4*r+77)^2+11^2
東大生は手計算で解を求めたけれど、爺はMaximaで計算して確かめた;;

答えは、(5/√2)。小数で表すと、約「3.5」だが、どうみてもおかしい。
爺はいい加減で大雑把な性格なので、この問題の概算をした。つまり、辺の長さを全部足すと(2+2+7+7+11+11=40)、それを円周率(≒3)で割ると(13.33…)、半径はその半分だから(6.66…)。つまり、少なくとも、6.66<外接円の半径であることはわかる。
細かい計算をする前に、あるいは検算するときに、だいたい、どのくらいの値になるか、「概算」してみることの必要性を、爺は、芳沢光雄/著「算数・数学が得意になる本」で学んだ。でも、爺の場合は、細かいとゆーか、正確な計算は未だにできないんだけどね;;
●竹内薫センセの「美しき数学の時間」
●解法1(三角関数で考える)

東大生と同じく、2、7、11、2r(直径)の半円で考える。円の中心と四角形の頂点を結んで出来る三角形の垂直二等分線を引き、その角度を、θ(シータ)、φ(ファイ)、γ(ガンマ)とする。

円の中心から見ると、3つの三角形を組み合わせて180°(※孤度法ではπ)であることはわかる。垂直二等分線は、それぞれを半分にしているわけだから、その合計は、(π/2)。γを移項して式を変形し、両辺のcosをとる。加法定理と余角関係から、それぞれの角度に対する三角関数の式が導き出される。

垂直二等分線を引いたので、抜き出した三角形は、直角三角形。それぞれの辺の長さを計算する。これを前述の式に代入する。

こんなん出ましたって感じで、未知数「r」だけの式になったけれど、これを計算すると、上にあるような「r」の三次方程式になり、r>0なので、「r=7」とゆー答えが求まるらしい。
●解法2(幾何的に考える)

これは、東大生が描いた線と同じ。しかし、ある定理を知っていると、比較的簡単に解くことができる(爺には難しいが;;)。

それは、プトレマイオスの定理(英語では「トレミーの定理」)。で、この定理の名前は、プトレマイオス王朝の歴代の王の名前ではなく、エジプトの天文学者・地質学者のクラウディオス・プトレマイオスによるものらしい。
マス北野も感心していたけれど、ピタゴラスは(BC582年~496年)、プトレマイオスは(AC83年~168年頃)。およそ2000年もの昔に、このような数学の定理を発見していたことに驚く。
マス北野は「プトレマイオスの定理」は、知らない。聞いたこともないと言っていたが、じつは、「123講:正三角形ピタゴラス」で、ちらっと、紹介されていたのよね。爺も覚えちゃいないけれど^^;
●たけしのコマ大数学科 第5期 DVD-BOX(12月16日発売)
※Pencil Missaileは、[SPACE]キーでも発射できるよ^^;
※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
■コマ大数学科:2008年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
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コメント
東大生チームは「比」を「長さ」として扱い、失敗しましたね。私も途中までは同様に考え、
bd = √(4r^2-4), ac = √(4r^2-11^2) として、
√(4r^2-4):√(4r^2-11^2) = (22r+14):(4r+77)
から計算しました。計算がかなり煩雑になり、時間内には解答できませんでしたが、この式も最終的に
2r^3-87r-77 = 0 になります。
投稿: アキレ・サンタ | 2009年12月10日 (木) 23時54分