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2009年11月10日 (火)

■コマ大数学科157講:お見合い問題

 このところ、老骨に鞭打ち、孤軍奮闘でややお疲れ気味のマス北野だったが、心強い助っ人が帰ってきた。東大の大学院に入ったポヌさんだ。祝!ポヌさん復帰の「たけしのコマ大数学科」

問題:7人の男性と1人ずつ順番にお見合いをします。女性はお見合いの場で男性と交際するか、断るかを決めて下さい。いったん交際を決めたら、それ以後のお見合いは無くなります。また一度断った男性に後から交際を申し込むことは出来ません。

一番良い男性と交際する確率を最大にするためには、どのような戦略をとれば良いでしょうか?

「一番良い男性」とは、イケメン、高身長、高学歴、高収入…と、なにを基準にしてもいいけれど、画面左上にある数値が高いほど、その基準を満たしていいると考えてほしい。つまり、7人の男性の中で一番数値が高い男性を選ぶには、どのような戦略を立てればいいかということ。

 じつは、今回の問題は、「鳩山由紀夫:見合いの数理」で紹介したばかり。Flashは、使いまわしで、「美女」を「男性」に変えただけ。グラフも20人という設定のままなので、見た目がアンバランスだ^^; ま、よーするに手抜きだが、そのぶん、今回は、Flashを作成する手間がかからず、爺は時間的に楽な気分になった。

 コマ大数学研究会は、実際に「お見合い」で検証ということなのだが、これを文章で説明しても、おもしろくないと考えたのが爺の失敗。今回は、絵を描くのに、えらい時間を使ってしまった><; 絵を描く集中力と根気が続かず、すぐにテレビを観たり、酒を呑んだりするのが原因だけど;;

近藤奈保妃 近藤奈保妃(29歳)
彼氏いない歴:3年
理想のタイプ:坂口憲二
劇団トランジスタ☆メガホン主催
劇団アニマル王子所属
近藤奈保妃☆MEGA-Diary☆

室江麗子 室江麗子(34歳)
彼氏いない歴:34年
理想のタイプ:緒方拳
劇団東京サギまがい所属

 スタジオにいる、戸部洋子アナもVTRを見ながら参加。

 収録が終わったあと、ダンカンは、近藤さんと室江さんに、7人全員を見た上で、誰にすればよかったかを聞いた。すると、ふたりは、そろって「1番目の逸見太朗さん」という答えだった。というわけで、コマ大生の答えは(どんな場合でも)「1番目」を選ぶ戦略。ちょっと無理がありやしないか^^;

 マス北野は、「お見合い問題」と聞いて、「これはナンパ問題だろ。知ってんだ」と発言。ところが、こういう問題があることは知っているが、考えたことがなかったとのこと。マス北野の答えは……。

マス北野の解答

 1人目と2人目は、パスして、3人目がこれまでの中で1位だったら決定。4人目は、これまでの中で、1位か2位だったら決定……という戦法だ。さすがに、ナンパ問題を知っていたというだけあって、ポイントを押さえている。ただし、6人目を見ると、これまでの中で4位以内に入っていれば、決定することになる。4位というのは、1位から7位までを選ぶときの期待値(平均値)である。少なくとも平均値より高くなるような戦略が望ましい。

爺の解答

 「鳩山由紀夫:見合いの数理」で紹介した方法で、7人の場合を考えると、1人目、2人目はパスし、3人目、4人目は、これまでの中で1位、5人目は2位以内、6人目で3位以内を選べばよいことになる。

 衛藤樹さんと、伊藤理恵さんの東大生チームは「2人目以降で、今までの男性の中で一番良い男性が出てきたときに交際を申し込む」という答え。

 7人の男性を良い順から、7・6・5…1と得点を付け、最初に登場する男性の得点によって、2人目以降の期待値(得点)を計算した。

東大生の解答

 1人目に「7点」の人が出てしまったら、それより良い人はいないので、結局、ルールによって、7人目の人を選ぶことになる(戸部アナの場合のように^^;)。そのときの期待値は「3.5」で平均値「4」を下回る。しかし、もしも、1人目が「6点」だったら、それを上回るのは「7点」の人だけなので、東大生の戦略を取るかぎり、期待値は「7」になる。以下、同様に1人目より、得点が高くなるように選択した場合の期待値を求める。すると、1人目に「7点」の人が出る場合も含めて、期待値の平均は「5.4」になり、平均値の「4」よりも高い。はたして、これがベストな戦略だろうか。東大生にもわからないという。

 正解は「最初の二人は断り、それ以降は、最初の二人より順位が上の男性が出てきたら、交際を申し込む」

 マス北野の答えは、細かい確率計算は別にして、正解と言える。

竹内薫センセの「美しき数学の時間」

真のNo.1がj番目に現れるとして、お見合いの最大数をnとする。

お見合い問題(1)

(s-1)人目までは、データ収集のみを行い、s人目からは、データと比較し高い方を選ぶ。1位の人を確実に選ぶためには、データ収集中の(s-1)人までに2位の人が入っている必要がある。

(s-1)人までを見送り、s人目から本番としたとき、1位の人をゲットできる確率は……。

お見合い問題(2)

人数を少なくして具体的な例を見てみよう。

お見合い問題(3)

人数が2人の場合は、どちらかが1位で、片方が2位。この場合、どちらを選んでも確率は、五分五分。

お見合い問題(4)

3人の場合は、少し複雑になる。1位・2位・3位の人が登場する順番をすべて数え上げると、3!(3の階乗)で6通りある。1位の人が現れたところに「○」がついているのは、わかると思うが、注意してほしいのは、「2・3・1」という順番のとき、2位の人のあとに3位の人が現れているので、これまでの人より順位が高い人を選ぶという戦略では、パスすることになるので「○」になっている。逆に「3・2・1」という順では、3位の人のあとに2位の人が出現するので、2位の人を選んでしまい、1位をゲットできないので「×」となっている。

「○」の数を数えると、お見合い1回目は、全6通りのうち、○がふたつで、1位の人をゲットできる確率は(1/3)、しかし、2回目では、○が3つで、1位をゲットできる確率は(1/2)と高くなる。

お見合い問題(5)

 今回の問題では、7人の男性が登場する。登場する順番をすべて書きだすと、7の階乗で5040通りにもなってしまう。上記の式に7人の場合を当てはめると……。

お見合い問題(6)

(s=3)のときが、もっとも期待値が高くなることがわかる。つまり、2人目までは見送り、3人目からデータと比較し、高い方を選ぶ戦略がベストということになる。データ収集(見送る人)を多くすると、1位の人が見送った人の中に含まれる確率が高くなり、逆に期待値は下がっていく。

この式を一般化すると、下記の式になるようだ。

お見合い問題(7)

 見合いの人数(n)が十分に大きい場合は、n/e(eは、ネイピア数)回目まで見送るのが最善の戦略。この戦略でいくと、1/e≒36.8%の確率で最善の相手をゲットできるというのが、ナンパの法則らしい。

 ところで、爺は「鳩山由紀夫:見合いの数理」の過去記事でも書いたけれど、これは相手がいること。相手に断られたら、この戦略は破綻する^^; で、鳩山由紀夫は、ある講演で、1000人の人と見合いをするとき、「最初の368人は付き合いを断って369番目から、368人の人と比べて一番いいと思う人が現れたらプロポーズする」と言っているけれど、爺が思うに、データ収集(見送る人の数)なら、生まれてこのかた、物心ついたときから、誰しも異性を意識し、見送ってきたのではないか。クラスメイトや、職場の同僚、たまたま街角ですれ違った人など……その数は、368人程度ではないはずだ。つまり、データ収集は充分なはず。見合いに限らず、ナンパでも、最初から、これまでの人生の中で一番だと思ったら、行動するのがベストな選択ではないだろうか。それでも、ベストな相方を獲得できるのは、36.8%だとしたら、残りの63.2%は、過去(見送った人)を忘れられないか、もっといい人が現れたり、何らかの不満、満たされない思いを抱いているということ??

 また、鳩山由紀夫は、幸夫人に対して「世の中の男性は、未婚女性の中から、自分の結婚相手を選ぶ。しかし、僕は、すべての女性の中から、君を選んだ」と、言ったそーな^^; つまり、当時、幸さんは既婚者(人妻)だったのね。これも、オペレーションズ・リサーチのなせる技か、やるな、鳩山由紀夫^^;

≪参考≫

秘書問題(Wikipedia)

※Pencil Missaileは、[SPACE]キーでも発射できるよ^^;

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2008年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト


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コメント

番組の問題をみたとき、本ホームページで掲載
された問題と同じだ!と感じました。
すごい偶然ですね。
お見合い問題を数学的に解答されるのを観て
数学という学問につくづく感激してしまいま
した。

投稿: す | 2009年11月10日 (火) 12時53分

「す」さん、コメントありがとうございます。

お見合い問題は、古くからある有名な数学の問題ですが、政権交代で民主党政権になり、理系総理大臣が誕生し、鳩山総理が昔、書いた論文「お見合いの数理」が注目されたので、番組で取り上げたのでしょう。たまたま、発想が爺と同じだったということですね^^;

投稿: Gascon | 2009年11月11日 (水) 10時48分

こんにちは。

この問題、たぶん数学的にはあっているんでしょうけれど、ちょっと疑問です。

前から思っていましたが、これは
「無限大の時の確率が36.8%」なんでしょう?
 #平均よりもいい人が取れる確率?
もっと行けば、3割6部8厘で、ベスト1が取れる。

しかし、実際はどうなんでしょう?

コマ大の例もあるし、7人くらいだと、
1/7も結構大きいのではないかと。

戦略的に行くのなら、一般解に頼る数字ではないかも?とも思うんです。

これもしも、次の人がいないと仮定すると、
「目の前の人がOKかどうか」だけになりませんか?
たとえ7人と分かっていても、
選んだ以上、次の人が見られない。
そう条件変えても、この解になるでしょうか?

未来予知に近い問題になる気がして、
なんか気になりました。

(=^. .^=) m(_ _)m (=^. .^=)

~~~
アップされるかどうかは、ご判断をゆだねます。 問題としてはちゃんと成立してますし。
この考え方(σ(・・*)の)が、異端なのかもしれませんので。

統計的な解法ですよね。
ゲーム理論だと、おそらくは
「順位付けのためのスルーをせず、次の人はいないものとして、いまめのまえのひとがOKかどうか」
中にありますが、この解になるかなぁ?

投稿: さきもり@福岡 | 2009年11月29日 (日) 15時16分

しょっぱなは公式にΣとか連発してるのにびびりまくって訳が分かりませんでしたが、他サイトの説明やwebに何故か公開されてる大学の問題集、Microsoft Mathなんかでこのサイトの公式通り打ち込んだりして悶絶する事7時間。
なんやら右辺の分数部だけでもおんなじこと出来ると気づいてなんとなく野生の気配で分かってきた。ああ、なるほどこういう意味だったのね。貴重なとっかかりをありがとうございます。

投稿: 寺崎 | 2010年8月 5日 (木) 13時12分

寺崎さま、コメントありがとうございます。

数学にはわけのわからない記号がありますが、ギリシャ文字のΣは、Sum(合計)の頭文字(S)の意味。添え字で指定した範囲を代入して求められる総和なので、知ってしまえば、「な~んだ」という感じで、びびることはありません^^;

「野性の気配」で感じ取っていただいたとおり、右辺は、それを実際に計算したものです。

投稿: Gascon | 2010年8月24日 (火) 00時40分

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