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2009年9月17日 (木)

■高校生クイズ:ピラミッドの石の数・太陽の寿命計算

今さらながらだけど、9月4日に放映された「全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ 2009」の記事。「高校生クイズ」は、問題が出され、それが正解かどうかだけが問われる。数学の問題でも、どういう手順で計算したかといった解説はいっさいない。その解法が気になった数学の問題を2つほど紹介。

問題:レンガを1段目は1個、2段目は2×2で4個、3段目は3×3で9個…というふうに、200段目まで積むと、レンガの総数は?

高校生クイズ・ピラミッド(1)

問題文のようにレンガを積むと、逆ピラミッドになっちゃうだろ…と思うのは、爺がひねくれてるせいかな^^; 制限時間60秒だよ。

四角錐の体積は、底面×高さ÷3で、この場合、底辺の長さと高さは、200と一緒なので、200^3÷3=2666666.66…となる。もちろん、ピラミッドは、階段状に石を積み上げたものなので、この公式は当てはまらない。しかし、石の数は、この数値に近くなるはず。爺は、計算が苦手で、頭の回転も速くないから、じっくり考えてみた。

高校生クイズ・ピラミッド(2)

まず、積み上げたレンガをすべて、四隅のひとつにズラしたイメージを描く。

高校生クイズ・ピラミッド(3)

正面図(横から見た図)の石の数は、1段ごとに1個ずつ増えているので、自然数の和の形になる。ピラミッドをひっくり返して重ねると、一辺が「n」、もう一辺が「n+1」の長方形になるので、石の個数は、その半分だ。
n*(n+1)/2
これを平面図(上から見た図)から見ると、1段目の石を取り囲むように3つの石、2段目は、2段目の石を取り囲むように2層の石が配置されているというふうに考えることもできる。
1→3、2→5、3→7…これを数式で表すと、
(2n+1)
当然、正面図と平面図を掛け合わせると、ダブリが出る。四角錐の体積を求めるときと同じように「3」で割る。

あとは、Maximaで計算^^;

高校生クイズ・ピラミッド(4)

…というわけで、正解は、268万6700個。この問題に正解したのは、52チーム中、23チーム。制限時間が60秒なので、以下の公式を覚えていたかどうかが明暗を分けたのではないかと思われる。

高校生クイズ・ピラミッド(5)

もうひとつ、爺が気になった問題があった。それは、準決勝で、茂木健一郎から出された問題。

高校生クイズ・太陽の寿命(1)

ただし、条件は以下のとおりとする
・太陽が1秒間に放出するエネルギーを4×10^26(J)とする
・燃料となる水素は太陽の全質量(2×10^30(kg))の10%で、さらにその0.7%だけの質量がエネルギーに変換される
・現在、太陽が誕生してから46億年とする
・有効数字2桁で答えなさい

太陽の寿命は、およそ100億年ほどで、現在の太陽年齢は、その寿命の真ん中辺、あと50億年程度の寿命が残っていることは知っていた。でも、アインシュタインの公式「E=mc^2」を用いて、計算せよというのは、おもしろい。しかし、冒頭に書いたように番組では、正解か不正解かを発表するだけで、その説明はなかったので、爺なりに考えてみた。

「E=mc^2」とは、いうまでもなく「エネルギー(E)=質量(m)×光速度(c)の2乗」の意味で、質量とエネルギーが等価であることを表している。質量が失われればエネルギーが発生し、エネルギーが発生すれば質量が失われるってわけだ。

それぞれ、「E」や「m」に条件としてわかっていることを当てはめる。気をつけなければいけないのが、単位を揃えること。「E」の(4×10^26ジュール秒)は、60×60×24×365として、年単位にする。「c」は光速度なので、「30万km/s」なのだが、メートル単位にする。

高校生クイズ・太陽の寿命(2)

「有効数字2桁で答えなさい」ということなので、答えは「5.4×10^9年」(54億年)

質量に光速度の2乗を掛けると、エネルギー量(J)として表すことが…とゆーか、等価だってことを示した、「E=mc^2」って式は、あらためて、スゲーと思う。

爺は、光速度を「30万km/s」としたけれど、「Google」の検索窓に「光速度」と入れれば、「光速度 = 299792458 m / s」とGoogle電卓が答えてくれる。

≪参考≫
E=mc^2(Wikipedia)

上記、Wikipediaの「E=mc^2」の項目を見ると、「質量 1 kg をエネルギーに変換すると」「89,875,517,873,681,764 J と等価」とある。これは、Google電卓で教えてもらった光速度「299792458」を二乗すると、ピタリと一致する。

それにしても、爺は「Maxima」があったから、計算できたけれど、こんな計算を手計算で行ったら、絶対間違える…とゆーか、できっこない;; これを短時間で計算しちゃう、高校生ってスゴイよね、やっぱし。

≪酔っ払い爺のめちゃ蛇足≫
太陽の中核部のような、超高温、超高圧下では、水素の陽子崩壊が起こり、ニュートリノやら、ガンマ線を発して、ヘリウムとなり、そのヘリウムの陽子が飛び出してまたまた水素の陽子崩壊を誘因して…というふうに反応が連鎖し続けるわけだが、ものすごく大雑把にいうと、水素を燃やして、その失われた質量がエネルギーとなる。

中核部で発生したエネルギーは、太陽表面に向かっていくわけだけれど、いろんな物質にぶつかって、吸収、再放出を繰り返し、エネルギーを減衰させていく。そのエネルギーが太陽表面にたどりつくのに、およそ1000万年かかるらしい(見てきたような法螺を吹く、ガスコン爺であった^^;)。

で、水素を燃やし尽くしたら、どーなるの? という太陽の寿命問題に立ち返ると、今度は、ヘリウムを融合させて(だんだん、太陽が膨らんでいく)赤色巨星になり、最後は白色矮星となる。ほとんどの物質は、惑星状星雲となって、その一生を終えるんだけれども、水素の融合がおよそ100億年続くのに対して、エライ学者の言うことにゃ、ヘリウム融合は、3500万年程度しか続かないらしい。

ま、爺は、そこまで、長生きしないから、どーでもいいけど^^; でもね、宇宙年齢(137億歳)と太陽年齢(46億歳)には開きがあるように、我々の世界を構成する元素って、そういった、死んでいった星の内部で作られたもの。元素から元素を作る「錬金術」って、宇宙スケールでは可能なんだよね。

ゴーギャンが西洋文明を離れ、タヒチ島で「我々はどこから来て、どこに行くのか」と問うた。白戸三平も「忍者武芸帖」で、同じ問いを「影丸」に言わせたけれど、今の酔っ払い爺が答えるとしたら、身も蓋もないけれど、「我々は、塵から生まれ、塵に帰る」としか、言いようがない^^;


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