■コマ大数学科136講:早稲田に挑戦
♪今年もゼミへ行くって、いっぱい数値を割るって、約分したじゃない、あなた約分したじゃない、解けない~♪「たけしのコマ大数学科」
問題:約数の個数が28個ある、最小の自然数「n」を求めなさい。
※早稲田大学、商学部の入試問題
ジョンフンに因数分解を手伝ってもらおう(手抜きの流用><;)。
今回から始まった新シリーズ(?)、東京6大学の入試問題に挑戦。しょっぱなに登場するのは「早稲田大学」。
我らがコマ大数学研究会は、滝口順平のものまねをする無法松のナレーション入りで、早稲田に「ぶらり旅」。今回は、コマ大生が問題を解くのではなく、早稲田大学の学生をスカウトして、問題を解いてもらい、その最も早い解答タイムに、スタジオのマス北野と、東大生に挑戦してもらおうという趣向。「鉄道研究会」や「株式投資サークル」などを訪れ、問題を解いてもらうが、大苦戦。そんな中、最速タイムをたたき出したのは、「バンザイ同盟」商学部4年生の三上剛さん。タイムは、2分58秒。
さて、スタジオの東大「秒殺シスターズ」の衛藤樹さんと伊藤理恵さんは、90秒でフリップに答えを書くものの、あとで、間違いに気づいた模様。
マス北野は、「やんなっちゃった」と苦戦するも、6分40秒で答えを出した。マス北野の考えた方法は、まず、28を因数分解すると、2^2×7、つまり、4×7になることに注目。素数の小さいほうから、4×7の表を作成していくというもの。

まず、「2」のべき乗を、0~6まで表内に書く。次に大きい素数は「3」、次に大きい素数は「5」なので、「3」と「5」を使うことを仮定して、表を埋めていく。素因数分解は、「2^n×3」のように表されるので、その数値を表内に書き込む。「5」の場合も同様。もしも、「3」と「5」を使うならば、当然、「15」という約数も存在する。これを表内に書き込むと、見事、4×7=28の表が完成し、表の右下の数値は「960」になる。960の約数がすべて書き出されているのだ。
東大「秒殺シスターズ」は、最初、どこで勘違いしたか不明だが、約数の個数を求める公式を知っていた。自然数「n」を因数分解したとき、「n=A^a×B^b×C^c」のように書き表すことができるが、このとき、A、B、Cは素数で、約数の個数は、(a+1)×(b+1)×(c+1)…とすれば、求めることができる公式だ。「A^0」(Aの0乗もあるので、冪指数に、「1」を加える必要がある。
「28」を素因数分解したとき、「2×2×7」になるので、最小の自然数「n」を求める場合は、2を多く使った方が、小さい数になるので、「2^(7-1)×3^(2-1)×5^(2-1)」となり、「2^6×3×5=960」という結果になる。
タイムは、マス北野より、わずかながら早い、6分25秒となり、コマ大フィールズ賞を獲得した。東大生の説明を受けて、マス北野は「この公式は、高校で習うの?」と聞いていた。爺も、高校の授業でそんな公式は教えてもらった記憶はない。もっとも、数学の授業を抜け出して、美術室でさぼっていた爺が言えることではない><; ともかく、爺の印象としては、公式を知っていた東大生の知識も立派だが、公式を知らないにも関わらず、自力で答えにたどり着いた(多少の強引さはあるにしても)マス北野の智慧を比べると、爺は、マス北野にエールを送りたい。
■中村亨センセの「美しき数学の時間」
「28」を因数分解すると、「2^2*7」
これを、2^{0,1,2}*7^{0,1}の表にすると、

0乗のぶんがあるので、(冪指数+1)*(冪指数+1)=3*2の表になり、約数が6個あることがわかる。マス北野の考えた表と基本的には、同じようになる。
そこで、東大生が使った、約数の個数を求める公式だが、冪指数を抜き出して、
(a+1)*(b+1)*(c+1)…=28を満たす、最小の自然数「n」を求める。

爺の推測だが、たぶん東大生は、90秒で答えを書いたとき、「2^6*3^3=1728」としてしまったのでは、ないだろうか。
答えは「2^6*3*5=960」となる。公式にあてはめると、
(6+1)*(1+1)*(1+1)=7*2*2=28
約数の個数が28個であることが確かめられる。
爺は、覚えたばかりの、Maximaの「divisors」を使って、960のすべての約数を書き出してみる。

爺が楽しみにしている、今回の「ちょっといい話」、数学のトリビアは、「完全数」や「友愛数」、「社交数」についてであった。ちょっと前のエントリ「書籍:博士の愛した数式」で取り上げたばかりなので、そちらを参照してほしい。
完全数は、自分自身を除く約数をすべて足すと、自分自身になるというものだが、
28=1+2+4+7+14
もうひとつ、
28=1+2+3+4+5+6+7
のように、完全数は、自然数の和としても表すことができる。
※Pencil Missaileは、[SPACE]キーでも発射できるよ^^;
※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
■コマ大数学科:2008年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
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コメント
たまたま気づいたこと。
John-Hoonの素因数分解が121など11の倍数のときに正しく表示されないことがあります。
投稿: のり | 2009年6月 7日 (日) 05時14分
のりさん、コメントありがとうございます。
「ジョンフン」は、そんな間違いはしないと、ファンから猛攻撃をされそうですが、爺の作成したFlashや、記事には、多くの間違いがありますので、あまり信用しないでくださいね><;
それにしても、これは、あまりにも根本的な問題なので、なんとか、早急に対処したいと思いますが、酔っ払いの状態では、考えることすらできません;;
投稿: Gascon | 2009年6月 7日 (日) 06時53分
のりさんが指摘してくれた、「121」のように11の倍数になる数値の素因数分解が正しく表示できないバグを修正。
酔いがさめた状態でスクリプトを見直してみたら、変数名を間違えるという、単純なミスをしていました><;
投稿: Gascon | 2009年6月 7日 (日) 16時59分
はじめまして、いつもコマ大を楽しく観させていただいてます。
まずは問題だけみて、TVを消して自分の力で解いてみます。
私は、この問題をペンや電卓を使わずに30秒で答えることができました。
一応、3の3乗と3*5の大きさの比較もしました。
過去に同じような問題に遭遇してたので答えまで一直線で導けたのだと思いますが、
バンザイ同盟のタイムより早く解けたので投稿しました。
これからも、よろしくお願いします。
投稿: す | 2009年6月 8日 (月) 16時28分
「す」さん、コメントありがとうございます。
爺は、ノートを開いて番組に臨むんですが、ほとんど完敗です><;
投稿: Gascon | 2009年6月11日 (木) 02時56分