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2009年1月30日 (金)

■コマ大数学科121講:靴ひも問題

 私大の受験シーズンということだが、マス北野は「5校受ける」と言って、親から受験料をもらい、明治大学だけ受験して、残りの受験料で遊びに行ったという「たけしのコマ大数学科」

問題 問題:1列に8個ずつ、計16個の穴があいた靴に、きちんと履けるように靴ひもを通したとき、最短の長さ(結び目までの長さ)を求めよ! それぞれの穴は、必ず、反対側の列の穴につながっていなければならない。穴どうしの距離は右図のとおり。

【遊び方】1度目にクリックした穴から、2度目にクリックした穴に「ひも」を通す。それの繰り返し。エラーチェックはしていないので、ちゃんと1本の「ひも」で結べるようにしてね。はたして、最短の結び方とは……?

 コマ大数学研究会は、靴ひも問題ということで、シューズ専門店「ABC MART」銀座店で、実際に靴に靴ひもを通して検証。各自が工夫を凝らした、結び方を披露し、靴ひもが最短になった者のアイデアを採用する。

コマ大生の解答
コマ大生の解答

 結局「お宮」の方法が採用された。答えは「30」。説明のため、右端と左端の穴を結ぶ線は、曲線で描いているけれど、本当は、直線で結んだときの距離(靴ひもの長さ)ね。

東大「秒殺シスターズ」の解答
東大生の解答

 衛藤樹さん、伊藤理恵さんの東大「秒殺シスターズ」の答えは「7√5+8+√53」、これを計算すると「30.93258573」になるが、あきらかに計算間違い。どちらにしても、コマ大生の解答よりも長い。

マス北野&ポヌさんの解答
マス北野の解答

 番組途中で「トイレ」と席を立った、マス北野だったが、じつは、読んでいた本を楽屋に取りに行ったらしい^^; その本には、靴ひもの問題が……。マス北野の解答は「12+6√5」(約25.416)。図を見ると明白だが、2:1:√5の線が6本と、縦横に平行な直線の部分を合計すると「12」になるという、とてもシンプルな解答。

竹内薫センセの「美しき数学の時間」
 マス北野が読んでいた本は、今回の問題のネタ本として使っていたらしい。しかし、竹内薫センセをもってして「神が舞い降りたとしか思えない」と言わしめたのは、マス北野の持っていた本は「1999年」の発行で、今回の問題の解答は載っていない。その後、オーストリア、モナッシュ大学の「Bunkard Polster」という人が、ネイチャー誌「2002年12月5日号」に、新しい最短解の論文を発表したらしい。それが、マス北野の解答と一緒だと言うのだ。

 穴が2列「n個」のとき、密な(すべての穴が反対側の穴につながっている)結び方は、「n!(n-1)!/2」個あるとのことで、今回の問題の1列が8個の穴の場合は、1億160万6400通りの解があるようだ。マス北野は「ひらめき」で、その中の1通りの解を見つけたわけね。

 で「靴ひも」の結び方は、それぞれの地域の伝統的な文化や、時代にも反映されているようで、さまざまな結び方があるようだ。

アメリカ式
アメリカ式靴ひも

ヨーロッパ式
ヨーロッパ式靴ひも

靴屋さん方式
 これは、東大生の解答と同じ。一番すばやく、靴ひもを通すことができる方法だと言う。

カナダ式
 これは、コマ大生の解答と同じ方法。これは、海軍で採用された結び方で、海に落ちたとき、左右をつなぐ長い部分の靴ひもを切ることで、ブーツを脱ぐことができ、溺れることを防ぐ意味があったという。また、海軍以外の軍隊でも、負傷した場合に、すばやくブーツを脱がせるために、この結び方が採用されているという話。

フランク・エドワーズさんが考えた方式
フランク・エドワーズ式靴ひも

 「カナダ式」、「コマ大生方式」と同じく、靴ひもの長さが「30」の結び方だ。これも説明のため、曲線にしてあるけれど、靴ひもの長さは直線の場合ね。

 というわけで、コマネチ・フィールズ賞改め、「コマ大・フィールズ賞」は、文句なしに、マス北野&ポヌさんチームが獲得した。

 ところで、番組スタート当時は「たけしのコマネチ大学数学科」だったが、途中から「たけしのコマ大数学科」に変更された。「コマネチ・フィールズ賞」も「コマ大・フィールズ賞」になった。その理由は、アメリカで「コマネチ」という名称を管理するエージェントが存在するらしい。そこから、「コマネチ」という名称を使うなら「使用料」を払えという、申し立てがあったらしい。もう、ビートたけしの往年のギャグ「コマネチ!」は見られないのか??

 私は昔の「ファミコン通信」編集部にいたことがあるが、「ファミコン」は「ファミリー・コンピュータ」の略称で、どちらも「任天堂」が「商標登録」を取っている。その商標を使わせてもらうために、表4の広告料が「無料」という噂があったとか、なかったとか……。

 でも「ファミ通」と誌名を変えれば、「任天堂」の影響力は及ばないわけね。それと同じく「たけしのコマネチ大学数学科」も「たけしのコマ大数学科」になったのだと思う。私は「激突!ラジコンロック」という漫画を描いていたが、毎号「ラジコンは増田屋コーポレーションの登録商標です」という但し書きが記載されていた。

 2009年、ホンダはF1撤退を表明し、「S2000」という、二人乗りスポースカーも製造中止となったが、その昔「NSX」というミッドシップのスポーツカーを発表したときに、「MSX」に似ているということで、事前にアスキーに打診してきたという。パソコンとクルマでは分野が違うし、アルファベット3文字だったら、たまたま似ちゃうこともあると思うけれど、ちゃんと、そのへんも根回ししてくるあたり、配慮が行き届いているよなぁ。

 それにしても「コマネチ」って人名なのに、使用権が発生するの?(ブランド名みたいに登録されているってことかな?) 「山田くん、座布団、ぜんぶ取っちゃって」というフレーズも、「山田」って日本では、ありふれた名前だけど、山田くんが、名前(「山田くん」ブランド?)の使用権を主張することができるの??

《追記:2月2日》
 マス北野が番組中でカンニングしていた本をアマゾンで入手した。「分ける・詰め込む・塗り分ける」という本。原著のタイトルは「HOW TO CUT A CAKE:And Other Mathenatucal Conundrums」。番組中で竹内薫センセが1999年の発行だと言っていたが、たぶん原著のほう。私が購入した翻訳版は、2008年11月、初版発行となっていた。まだ「靴紐の幾何学」のところまでしか読んでいないが、興味のある人も多いと思うので、取り急ぎ、紹介しておく。

分ける・詰め込む・塗り分ける 分ける・詰め込む・塗り分ける
イアン・スチュアート/著
伊藤文英/訳

早川書房
四六判上製(330頁)
定価(本体2000円+税)

たけしのコマ大数学科DVDBOX3 たけしのコマ大数学科
DVD BOX3(第3期)

たけしのコマ大数学科DVDBOX2 たけしのコマ大数学科
DVD BOX2(第2期)

たけしのコマ大数学科DVDBOX1 たけしのコマ大数学科
DVD BOX1(第1期)

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト


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コメント

久しぶりに書き込みいたします。

今回の問題は私も東大生と同じく「左右交互にひもを渡す」と考えていましたので、正解まで至りませんでした。実はこの問題は以前「日経サイエンス」のコラムに載っていたのをおぼろげながら覚えています。まさかこんな場面で出てくるとは思いませんでした。

「コマネチ大学」が「コマ大」に変わったことも気付いていました。おそらく人名の「コマネチ」が使えないからという理由も何となくですが気付いていました。

投稿: 藤崎竜也 | 2009年2月12日 (木) 21時03分

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