■コマネチ大学数学科110講:「31」
DVD-BOX(第3期)が12月17日発売決定の「たけしのコマ大数学科」今回は「31ゲーム」の必勝法だよ。
《31ゲームのルール》
1~6までのトランプが24枚。二人が交互に1枚ずつカードを取っていき、その合計がちょうど「31」になるカードを取った人の勝ち(※31をオーバーしたら負け)。
問題:このゲームで先手が勝つには、最初にどのカードを取ればいいか。
【遊び方】マウスでカードをクリック。下の数字がカードの合計。ガスコン爺と対戦して、必勝法を見つけてね。(※必勝法は、ひとつとは限らない)
コマ大数学研究会は、DVD-BOXの発売決定の宣伝を兼ねて、フジテレビ前の外階段(ちょうど、31段みたいだ)を使って検証。実際に何度か遊んでいるうちに、ロケでは「3」という結論が出た。ところが、スタジオでマス北野と対戦したときに、ヒントをもらい、最終的な答えは「1」となった。
マス北野は、コマ大生と対戦したら、まさかの敗北。それだけでなく、コマ大生に正解に至るヒントを与えてしまったようだ。「答え≦3」となった。
衛藤樹さん、伊藤理恵さんの「東大理三チーム」は、だいぶ苦戦気味のもよう。出した答えは「3」。
今回は、スタジオの対戦模様は、これくらいにして、さっそく、竹内薫センセの「美しき数学の時間」の解説に入ろう。
爺は知らないけれど、宴会などで、互いに数字を言い、あらかじめ決められた合計数をオーバーしたら負けというゲームがあるらしい。
「31」は、4×7+3なので、数字を言うゲームでは、先手が最初に「3」を言えば、あとは、後手が1~6のどの数字を選ぼうとも、先手(自分)は、「7-後手の数」を選んでいけば、必ず勝てる。

合計数に注目すると、「10」「17」「24」になるようにすればいいわけね。数字ゲームの場合は、同じ数字を何度でも言うことができる。ところが、カードの場合は、枚数に限りがあるので、先手必勝破りの方法があるのだ。それは先手が「3」を選んだら、後手は「4」を選んでいく方法。最終場面で合計数が「28」になり、先手は「3」を選べば「31」になるが、すでに、「3」のカードを4枚使っているので、「3」を選べない。そこで、先手が「1」を選べば、後手は「2」で「31」になり、先手が「2」ならば、後手は「1」で「31」になる。それ以外の数は、先手が「31」をオーバーしてしまう。もしも、先手が途中で作戦を変えたら、後手は合計数が「10」「17」「24」になるように選んでいけばよい。
さて、先手の1手目が「3」の場合は、後手必勝になることがわかった。それでは、他の数字の場合はどうかと言うと、先手が「4」の場合は、後手は「6」を選べば「10」になるし、先手が「6」ならば、「4」を選べばよい。

というわけで、「3」「4」「6」は後手必勝。先手必勝の正解は、残る「1」「2」「5」の3パターン。
先手が「1」「2」「5」を選べば、合計数を「10」「17」「24」の状態にすることができる。ただし、気をつけなければいけない展開がある。後手が先手と同じ数のカードを取ってきた場合だ。
■「1」の必勝法

■「2」の必勝法

■「5」の必勝法

いずれも、後手に「10」「17」「24」を取らせるが、後手が最後に必要なカードを使いきってしまうのがポイント。
数字ゲームの必勝法「3」を取ることが、カードゲームでは通用しないことが、今回の要ということで、東大生の答えは机上の空論になった。マス北野は、途中で気がついたが「3」を含めていたため、コマ大数学研究会がコマネチ・フィールズ賞を獲得した。
あらためて、実際に確かめてみることの重要性を感じた。それにしても、コマ大生は、このところ、大躍進だ。長時間のロケで数学センスが磨かれてきたかな。
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![]() (第2期) |
※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
■コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
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コメント
こんにちわ。
マミタンではなくマミタソです(笑)
1億の回答ありがとうございました。
タメになりました。
さてさて今回も謎!?が…
まず誰でもピン!☆とくるのが
7の倍数+3の10、17、24とれば勝てるということなんですが…
4枚という制限で足りないと。
私は『先手必勝=後手が阻止できない』と考えましたが、
この先生の回答、後手の立場に立って考えていない気がしました。
対人であれば後手の人も10、17、24になるようにカードを選び、『あ!7になるカードがない!』なんてならないと思うんですよ。
例えば後手が2手目に6を選択して残り1枚の2を上手に利用すると単純に先手が法則に従うなら負けてしまいます。
先手 後手
2 2 4
2 6 12
5 5 22
2 5 29
1 1 31
やっぱり1,2,5で正解なんですかね?爺様同思いますか?
投稿: マミタソ | 2008年11月 8日 (土) 22時25分
マミタソさん、コメントありがとうございます。
たぶん、マミタソさんもわかっていると思いますが^^;
> 対人であれば後手の人も10、17、24になるようにカードを選び、
> 『あ!7になるカードがない!』なんてならないと思うんですよ。
それは、そっくりそのまま、先手にも言えるんじゃないかと……。確かにマミタソさんの指し手どおりに展開すれば、先手が負けちゃうことになりますが、先手も最善手を打つことを考えます。
先 後 計
2 2 4
2 6 12
2
先手は、後手が同じカード「2」を取った時点で、「2」を使いきる戦略を取ったわけですから、後手が「10」にしなかった場合は、初心貫徹で「2」を取ればいいと思います。あとは、後手を「17」以上、「24」以上にするセオリーどおりの戦略でいきます。
マミタソさんが、ちょっと誤解されているかもしれない(あるいは、あえて反証を試みている)と爺が考えるのは、同じカードを取られた場合は、自分が「10」「17」「24」を取ることではなく、相手(後手)に取らせる戦略だということです。つまり、マミタソさんの棋譜の3順目で、先手が「5」を取るのは、誤着手だと爺は思います。主導権は先手にあるので、後手に「2」を使わないと「31」にならないような最終局面にすれば勝てるはずです。
爺も最初「必勝法」という言葉にちょっと引っ掛かりを持ちました。「必勝法」は、この通りにやれば必ず勝てる方法というイメージを抱きますよね。
竹内センセも番組内で言っていましたが、対戦相手がいるゲームなので、指し手のパターンはかなりの数に上ります。しかし、将棋やチェスと違い、すべての指し手を検証することは可能(有限で計算可能)な問題です(※もちろん爺はすべての指し手を検証しているわけではありませんが^^;)。
そういう意味で最初に選んだカードによって(お互い最善手を指したとしても)勝敗が決まってしまうことから「必勝法」と言っていいのではないかと、爺は思った次第です。
それにしても、マミタソさんは、いいところを突いてくるなぁ^^;
じつは、3順目で先手が「5」を取り、合計数を「17」にした時点で、立場は逆転し、先手の負けは確定してしまうんだもの……。(相手に「17」を取らせる戦略なのに、自分で取って、どーするみたいな^^;)
投稿: Gascon | 2008年11月 9日 (日) 01時01分
どうも、いつも問題のアップありがとうございます。
私のような数学マニアは問題以外まったく興味ないので、大変ありがたいです。
結論だけ先に書くと、
2⇒2⇒2⇒6に対しては、3を打てば先手勝ちです。
残り数字16に対し、後手3-6を打つと6-3を打って残り7の状態にでき先手勝ち。
後手2を打つと、2が無い状態で残り14となり、先手5を打って勝ち。
後手1に対しては、先手6で勝ち(以下略)。
実は、この問題は、詰め将棋とそっくりです。後手に最善手を打たせても、先手が勝てるように先手の手を決める問題です(余詰めだらけだから、正確には詰めチェス)。数学的に表現すると、
∃(先手手順)∀(後手手順) s.t.先手勝ち
となります。つまり、先手はひとつでもいいから手を見つければよく、後手に関しては全ての手を検証する必要があります。
で、初手5が必勝なのは簡単にわかります。(理Ⅲが解けないのは大恥と言っていいです) 初手1が必勝なのも、ゲームの感覚に慣れれば容易です。
しかし、初手2が地獄です。
どの分岐も、相当先まで手が続いてしまい、目で読むのはかなりつらいです。私は意地でも目で解こうとして、3時間以上費やしてしまいました。。
で、あきらめてノートで解きはじめても、全ての分岐を検証するのに2時間を要しています。
結論;
2⇒2⇒2 若しくは 2⇒2⇒4にて先手必勝。
3手目の勝ち方すら二通りあります。
この問題を番組時間内で読みきれる人は化け物です。1%もいないと思いますが。
投稿: ccckt | 2008年11月18日 (火) 02時11分
こんにちわ。
今週、この放送を見ました。
コマ大の躍進はすごいですね。お宮さんもあれだけ階段を上り下りしたこともあって、「体得」していたんだろうなと思いましたね。繰り返しやってることで、「3を取りきる」という方法も抑えていたようですし。
ガスコンさんの言われているとおり、実際に確かめてみるというのは大事ですね。
マス北野の「おれはイタリアの科学者か!」の捨て台詞には吹いてしまいました。
投稿: なにわっち | 2008年12月 7日 (日) 12時54分