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2007年12月10日 (月)

■漫画でわかるポアンカレ予想

 記事タイトルに偽りあり。正しくは「漫画でわかる(わけがない)ポアンカレ予想」。誇大広告としてJAROに苦情を持ち込んだり、偽装表記で告発しないでね^^;

 ひさしぶりに絵を描いたけれど、ダメだ、根気が続かない……;;

 もう、だいぶ前のことで、完全にタイミングを逸してしまったが、NHKスペシャル「100年の難問はなぜ解けたのか~天才数学者 失踪の謎~」を見た。10月22日の放送、再放送、そして、今回の記事を書くにあたり、名前を確認するために録画ビデオをチェック。都合3回見たことになる^^;番組を見ていない方のため、簡単に概略を……。NHKは、みんなの受信料で番組を作っているのだから、この番組も含め、NHKのアーカイブは、いつでも見ることができるよう、ネットで公開してほしいものだ。

 ポアンカレ予想とは、「単連結な3次元閉多様体は3次元球面と同相である」。なんのことか、さっぱりわからない。番組では、「ロケットに長い長いロープを付け、宇宙に飛ばしてみる。そして、無事、ロケットは地球に戻ってきたとする。このとき、長い長いロープをたぐり寄せて回収することができたら、概ね、宇宙は丸い」とCGアニメーションで説明。中村亨センセの「数学21世紀の7大難問」という本では「輪ゴム」で説明していた。

 「ポアンカレ予想」が提出されたのは、1904年のこと。この謎をアンリ・ポアンカレ(1854~1912)自身も解くことはできなかった。彼の論文の最後に「この問題は、我々をはるか遠くの世界へと連れて行くことになるだろう」と記されていたという。

 1950年代、ふたりの数学者が「ポアンカレ予想」の謎をめぐり、熾烈な戦いを繰り広げていた。クリストス・パパキリアコブーロス博士(以下、パパと記す)とウルフガング・ハーケン博士だ。お互い、「ポアンカレ予想」を解いたと発表しては、その誤りが見つかるといったことの繰り返しで、一進一退、ますます深みにはまっていった。

 パパは「ポアンカレ予想」の研究のためにすべての時間を使い、人前に出ることも少なかった。パパは「もしも、ポアンカレ予想が解けたなら、ギリシャに戻り、結婚できるかもしれない」と友人にもらしていたという。しかし、ふたりの対決は突然終止符を打つ。パパが癌のため逝ってしまったのだ。彼の自宅からは、膨大なポアンカレ予想に関する遺稿が見つかる。パパさん、かわいそうね。

 いっぽうのウルフガング・ハーケン博士は、パパの死後、40年間も「ポアンカレ予想」に取り憑かれていた。家族は博士のことを「ポアンカレ病患者」と呼んでひやかしたそうだ。「今、お父さんはポアンカレ病に患っているから話もできない」と。でも、それがよかったと博士は言う。もしも、家族が「お父さんの研究は人類史上、とても重要なことなんだ」などと言っていたら、ますます追い込まれていただろうと。家族のさりげない言葉が日常の世界へ連れ戻してくれたと。ハーケン博士のハゲ頭(失礼)の上に子供(たぶん、孫?)がおもちゃを乗せて、遊んでいる光景がほほえましかった。

 私たちは宇宙の中にいるので、宇宙を外から眺めることはできない。つまり、どんな形なのか見て確かめるというわけにはいかないのだ。もしも、宇宙が「クラインの壺」みたいな形をしていたら、ロープを解きほぐすのも大変だと思う。

 スティーブン・スメール博士は、こんがらかったロープをほどく方法として、より高次元な宇宙を考え、そこから解いていくことを考えた。たとえば、3次元のジェットコースターの落す影を見ると、複雑に絡み合って、線と線が交差している。しかし、3次元のジェットコースターは、ぶつかってはいない。この考え方で5次元や4次元ではうまくいく。しかし、3次元に適用させると、これが、どうもうまくいかない。スメール博士は「ポアンカレ予想」から撤退してしまう。

 ウィリアム・サーストン博士は、まったく新しいアプローチで「ポアンカレ予想」に取り組んだ。宇宙が丸くないとすると、どんな形なのか。「ポアンカレ予想」では、この点に触れられていない。ならばトポロジー(位相幾何学)を使って、宇宙がとりうるすべての形を列挙してやろうというアプローチだ。さすが、数学のマジシャンの異名をとる、サーストン博士。みごとハット(帽子)の中からウサギを出す、ハットトリック。「ハットとしてグー!」だね、と田原俊彦も絶賛したかどうかは、この際、無視しよう。

 1982年、サーストン博士は「宇宙がたとえどんな形であろうとも、それは必ず、最大で8種類の異なる断片から成り立っているはずだ」という予想を立てる。この「サーストンの幾何化予想」は「ポアンカレ予想」をも含んでいる。というのは、もしも、宇宙に「丸」とは、異なる断片が1つでも含まれていれば、ロープは回収できないからだ。「サーストンの幾何化予想」によって、ロープのからみ合いを解くということから、宇宙がとりえる形は、最大で8種類ということを証明することに焦点は移った。「サーストンの幾何化予想」を解けば、おのずと「ポアンカレ予想」も解かれたことになる。

 グリゴリー・ペレルマンは1966年生まれ。最年少で国際数学オリンピックに出場するなど、早くから数学の才能を開花させていたようだ。ただし、トポロジーには興味がなく、物理学のほうへ進んだらしい。ソビエト連邦が崩壊し、ペレルマンは渡米する。

 アメリカでは「トポロジー」が新しい数学として脚光を浴びていて、何人かの数学者がフィールズ賞を受賞していた。しかし、ペレルマンは、「リッチフロー」という手法で「サーストンの幾何化予想」を証明してみせたのだ。

 「リッチフロー」とはなにか? 番組内では、リッチフローが微分幾何学に分類されること。ペレルマンは、宇宙を温めたり、膨らませたりしながら変形させ、宇宙がとり得る形が、最大で8種類であることを証明した……って、これもさっぱりわからない。

 「リッチフロー」とは、1982年、リチャード・ハミルトンによって研究されたものらしい。簡単に言うと「微分方程式を使って、多様体の形をわかりやすい形に変形する手法」とのこと。

20071210

 やっぱり、わからない;;

≪参考≫
■NHKスペシャル
100年の難問はなぜ解けたのか
~天才数学者 失踪の謎~

数学21世紀の7大難問 /中村 亨

数学文化(No.8 2007)
絵でわかるペレルマンの「ポアンカレ予想の解法」 /有田八洲穂

The entropy formula for the Ricci flow and its geometric applications

≪追記:2010/06/19≫

NHKエンタープライズから番組のDVDが発売されている。

ポアンカレ予想 ポアンカレ予想・100年間の格闘
~数学者はキノコ狩りの夢を見る~


DVDディスク1枚(108分)
販売元:NHKエンタープライズ
発売日:2010/05/28

リーマン予想 リーマン予想・天才たちの150年の闘い
~素数の魔力に囚われた人々~


DVDディスク1枚(87分)
販売元:NHKエンタープライズ
発売日:2010/05/28


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コメント

これを見ましたが、良く解りませんでした。でも解けた以上、凄い事の様に思います。宇宙の形が8種類しか無いのが証明されたなんて。どうやって証明したんだろうか? エネルギー、温度、密度、熱伝導学、熱伝導微分幾何学、エントロピー、トポロジー、コホモロジー、ホモトピー、微分幾何学、多様体幾何学、確率微分幾何学、時間微分幾何解析学、時間発展微分解析学、色々な数学、物理学の知識を駆使してやってのけた偉業はには、敬服いたします。

投稿: え? | 2013年3月 6日 (水) 14時20分

8種類のピースに分解できるだけどもね

投稿: たかひろ4 | 2015年7月 7日 (火) 07時37分

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