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2007年8月10日 (金)

■コマネチ大学数学科57講:角度

 戸部アナの「コマネチのポーズの正しい角度は?」というオープニングから番組は始まった。1976年モントリオール五輪で10点満点を連発し、白い妖精と呼ばれた「ナディア・コマネチ」。彼女は命がけでチャウシェスクの独裁政治が続くルーマニアから亡命し、自由を手にするが、亡命後、わずか1ヶ月でチャウシェスクの独裁政治は幕を閉じ、チャウシェスクは処刑される。波乱万丈の人生を歩んだコマネチも、まさか日本の深夜番組のタイトルに自分の名前が使われているとは夢にも思わないだろう「たけしのコマネチ大学数学科」第57講。

問題:最小の内角が120度の多角形がある。それに続く内角がその前の角より5度ずつ大きい多角形を作るとき、その図形は何角形になるか?

20070810_01_2

 図を見てわかるとおり、答えのひとつは、9角形だが、問題はもうひとつの答えを求めることになる。

 いつものようにコマ大数学研究会は、床に黒いテープを貼っては剥がし、貼っては剥がしの繰り返しで、検証に5時間をかけ「15角形」という答えを出した。

 マス北野と東大生チームは、計算で答えを求める。多角形の内角の和は「180度×(n-2)」、それと、120度から5度ずつ増えていくn角形の等差数列の和は等しいので、
180×(n-2)=n×(120+120+5×(n-1))/2 という方程式が成り立つ。この2次方程式を解けば、答えが出るわけだ。
私は、インストールしたての「Maxima」を使ってみた。少しでも「Maxima」を使ったことのある人なら、なんてバカなことをやっているんだと冷ややかな視線を注ぐんだろうな……^^;

20070810_02

 というわけで、2次方程式のいっぽうの答えは「9角形」であり、もういっぽうは……マス北野と東大生チームの答えは「16角形」だ。この時点でマス北野は勝利を疑いもしなかった。ところが奇跡は起こるのである。なんと正解は「15角形」。

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(※図は、相当いいかげん;;)

 120度から5度ずつ増やしていくと、途中で180度になる。180度は直線なので、角ではないのだ。つまり、16角形から、この部分を引いた「15角形」が正解なわけ。マス北野も東大生チームも、見事に中村亨センセの思うツボにはまったわけだ。コマ大数学研究会の努力はムダではなかった。久々にコマネチ・フィールズ賞を獲得!!

 中村亨センセの「美しき数学の時間」では、マス北野、東大生チームが行った「内角の和」と求める方法(内角攻め)と「外角の和」を求める方法(外角攻め)を紹介した。一定ずつ増えていく数の並び、等差数列の話題として「素数の中にどこまで長い等差数列が存在するか?」という問題を2004年、テレンス・タオという数学者が「いくらでも存在する!」と証明したそうだ(グリーンとタオの公理)。

 素数の中の等差数列とは、例えば、3、5、7ならば、2ずつ増えていくので、初項「3」、公差「2」、長さ「3」になる。5、11、17、23、29ならば、初項「5」、公差「6」、長さ「5」という具合だ。

 1995年には、長さ「22」の等差数列が見つかり、2004年には、長さ「23」の等差数列が見つかったばかりだと言う。ちなみに、この初項は「56211383760397」で、公差は「44546738095860」だそうだ。長さ「24」列の等差数列は、まだ見つかっていないとのことだから、あなたも挑戦してみてはいかが^^;

 

追記(2007年8月10日):番組内の中村亨センセのホワイトボードでは、素数の中で長さ「22」列の等差数列の発見は「1995年」と見えたのだけれど、「STUDIO KAMADA」の「2004年7月24日」の日記を見ると、「1993年」とある。ここからのリンクをたどり、こんなページも見つけた。

 

追記(2007年8月11日):長さ「24」の等差数列は、すでに今年1月に発見されているようです。M.Kamadaさんのコメントを参照のこと。

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コメント

2007年1月18日にAP24が報告されています。
http://tech.groups.yahoo.com/group/primeform/message/8240
AP-kの最新情報はこちら。
http://hjem.get2net.dk/jka/math/aprecords.htm

投稿: M.Kamada | 2007年8月11日 (土) 02時44分

M.Kamadaさま、コメントありがとうございます。
そうですか、長さ「24」の等差数列は、すでに今年、発見されているのですね。私の不明を恥じるばかりです。紹介されているサイトを覗いてみると、素数の中の等差数列を探すにしても、いろいろな楽しみ方があるようですね。

投稿: Gascon | 2007年8月11日 (土) 10時53分

はじめまして。N.G. と申します。
8/8 の角度の問題は、自分も16角形が答えだと思いみごとにひっかかりました。しかし、15角形の解答を聞いて、一点疑問に思いました。15角形の図形の場合、175度の頂点の次が185度となり、5度ずつ内角が増えていません。よってこの図形は題意を満足しないのではないですか。正解は9角形のみということにならないでしょうか。

投稿: N.G. | 2007年8月11日 (土) 12時36分

N.G.さま、コメントありがとうございます。
どうも、すっきりしないのが、その点なんですよね。180度を内角のひとつとして認めると、やはり16角形という気がするし、角として認めないと、内角が5度ずつ増える多角形という題意を満たさないことになっちゃいます。あえて解釈すると、180度も内角のひとつ(特殊な場合)として認めるが、あくまで「見た目」は15角形になる、ということでしょうか^^;

投稿: Gascon | 2007年8月11日 (土) 15時21分

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コマネチ大学 #56 たけしのコマネチ大学数学科#56  2007/08/09 深夜OA     今回のテーマは、 「角度」     コマ大数学科特別集中講座/ビート たけし ¥1,000   ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇   角度といえば... [続きを読む]

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