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2006年10月16日 (月)

北朝鮮の瀬戸際外交と日本の瀬戸際

 思い起こせば、北朝鮮がミサイルを発射したのは、アメリカの独立記念日(7月4日:日本時間では5日の未明)だった。そして今回の地下核実験が行われた10月9日はコロンブスの日だった(コロンブスがアメリカ大陸を発見したのは1492年10月12日だが、1971年以降、10月の第2月曜日と定められた)。

 まあ、北朝鮮がそこまで考えたかどうかは定かではないが、熱烈なアメリカへのラブコールであることは間違いだろう。しかし、当のアメリカは、イラク、イランなど中東問題に忙しく、つれないそぶり。極東の問題はそっち(中国)がなんとかしてよという感じ。かつての冷戦構造はなくなり、ロシアにも北京にもマクドナルドがある時代だ。

 中国が北朝鮮と結んでいる中朝友好協力相互援助条約は、中朝の一方が他国から攻撃を受けた際、他方が軍事的支援をすることを義務づけている。中国はこの条約の改定を考えているが、改定には双方の同意が必要。しかし、国連が制裁措置を決定した時点で、国際法が優先される。事実上、この条約は破棄されたものという認識だ(もちろん、必要とあれば、ということで実効性はない)。

 それでも中国が、7章、42条はもちろんのこと、軍事衝突を招きかねない「臨検」にこだわるのは、北朝鮮政府が崩壊してしまったら困るからだ。2000万人の難民を受け入れる余裕はないし、韓国主導で朝鮮半島の統一がなされても困る。祖国統一を叫ぶ韓国にとっても、やはり困った状態であることに変わりはない。

 北朝鮮政府の転覆を望んでいるのは、じつは能天気な日本だけなんだよね。国際的な締め付けで北朝鮮が暴発でもしてくれたら、アメリカがなんとかしてくれると思っているし、いっきに戦争のできる国ニッポンの道が開ける。徹底的に北朝鮮を叩き政府を転覆させてしまえば、核の脅威はなくなるし、拉致問題だって北朝鮮の金正日政権の崩壊なしには解決しないと思っている。

 いっぽうアメリカは、世界一の核保有国として、北朝鮮が核を保有することは許せない。北朝鮮のような小国が核を保有して対等の交渉をしようなんて、おこがましい。なにせ、戦争好きのアメリカは、核保有国に対して戦争を仕掛けたことがないのだ。これ以上、パキスタンのようになしくずし的に核保有を認めちゃったりすることは避けたい。ってゆーか、北朝鮮が外貨稼ぎのためにテロ組織などに核兵器を売ったりしては困るし、もっと困るのは、日本を始め「ならばワシらも、抑止力としての核武装を!」などと言い出して、日本、韓国、台湾など、核拡散がドミノ倒しのように連鎖していくことである。

 だって、世界の警察としてのアメリカは、核というアドバンテージも確保したいじゃないの。一番いいのは、アメリカまで届かない北朝鮮のミサイル技術のままで、適度に危機を煽り、兵器購入のお得意先である日本にミサイル防衛のためのイージス艦やパトリオットミサイルをどんどん買ってもらうことである。

 アメリカにとって北朝鮮など、どうでもいいんだよね。べつに石油資源があるわけじゃないし。それよりも、この期に日本が巨額の資金を使ってミサイル防衛を進めれば、中国のICBM(大陸間弾道ミサイル)を封じ込めることができる。沖縄に配置したパトリオットは、自分たちの基地を守るためだし、横須賀にミサイル防衛のイージス艦「シャイロー」を配置したのだって、お得意様である日本へのプレゼンテーションだ。だって、北朝鮮のミサイルは、アメリカに届かないんだもの。

 なんか、地勢的にアメリカにとって日本は、その昔、中曽根元首相が言った「不沈艦空母」そのものなんだな。それも太平洋を封鎖する最前線の艦隊(駒のひとつ)だ。中国にとって日本は目の上のたんコブ状態。目障りなんだよね。小松左京の「日本沈没」とは、違った意味で「日本沈没」とならなければ、いいのだけれど……。

 で、多くの人にとって、こんな話はリアリティがないと思う。私だって「いいちこ」を飲みながら、酔いにまかせて、たわごとを書いているにすぎない。でも、私が住んでいるのは、米軍、厚木基地の近くで、北朝鮮が地下核実験といったニュースが流れると、「タッチ&ゴー」の演習が増えるんだよね。「タッチ&ゴー」とは、戦闘機が着陸態勢に入って滑走路にタッチすると、再び飛び上がって、それを繰り返す演習のこと。そのため、夜でも騒音がたえまなく響く。もちろん、これは空母への離着艦を想定した演習なのだ。だから、こんな世迷いごとを書くのは、ほんの少しだけリアリティを感じるからなのかもしれない。

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