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2006年9月21日 (木)

インターネットが意識を持つとき

 脳が物質からできていて、ニューロンの結びつきのネットワークから意識が生まれる。だとしたら、インターネットも意識を持ってもおかしくない。もっと単純なネットワークだって、極論すれば、サーモスタットにも、うっすらとした意識があってもいいはず?

 「インターネットが意識を持つとき」というのは、誰しも考えることでは、ないだろうか。つまり、ある出来事に対して、あるノード(ニューロン)が発火(反応)する。その連鎖によって、その情報が伝播する。「ホロン」的に解釈すれば、インターネットに接続している我々は脳のニューロンのようなもの。生命のヒエラルキーで言えば上部構造の一部であり、上部構造が何を考えているかなど、わからず、自律的に自分のブログに記事を書く。それは、生命を継続する一環の行為だ。しかし、そういった行為が、世論を形成し、地球規模でひとつの選択につながるとしたら、ネットワークの意思と呼べないだろうか。

 タヒチに住む作家が「子猫殺し」の記事を書いたら、地球のあちこちで、それに強く反応するブログが現れ、伝播していき、ネットワークの結びつきが強められる。伝播する力は強いものもあれば、弱いものもある。伝播する範囲も広いものもあれば、狭いものもある。

 「ワーム」のように急速に伝播し、広がるとネットワークが一時的に機能しなくなる。脳で言うと「てんかん」だ。てんかんは、ニューロンが次々と発火して、伝播していく。伝播を食い止めるには、情報伝達の基幹部分を遮断してしまえば済むが、それは「てんかん」治療に過去に行われた「ロボトミー手術」のようなもので、そんな乱暴なことはできない。健全なネットワークは「ワーム」の対抗策を講じ、それを広めていく。

 ひとつひとつのニューロンが考えているわけではない。強く反応するネットワークの関連性が意思を決定する、という考え方は、私にとっても魅力的な解釈に思える。

 しかし「意識」の発現は、そんなに簡単じゃないと思うんだよね。「有機物質」を集めても「生命」にならないように、「意識」が宿るためには、たんに情報回路の複雑さや量的な問題だけでなく、他者と隔てる境界が必要で、自律的に動けるしくみ、環境をフィードバックできるしくみ、自分を再組織化できるしくみが必要なんじゃないかな。つまり、生命の営みそのものって感じがする。

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コメント

一風変わった脳内構造のホームページがあるのですが、よろしければ、ご批評願えないでしょうか?

投稿: ノース | 2007年7月 2日 (月) 12時02分

コメントありがとうございます。そして、対応が遅れて申し訳ないです。もちろん、サイトはコメントがあった時点で拝見しました。ひと言では言い表せないので、「思考する機械」というエントリを作成しました。

投稿: Gascon | 2007年7月25日 (水) 06時05分

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坂東眞砂子(ばんどう まさこ、1958年3月30日 -)とは、日本の小説家・作家である。 [続きを読む]

受信: 2006年9月22日 (金) 17時46分

» ■思考する機械 [ガスコン研究所]
新しい脳内構造の解釈http://members.goo.ne.jp/home/north-lab 脳生理学をわかりやすく図版を用いて解説しているノースさんの研究所。じつは、当「ガスコン研究所」の「インターネットが意識を持つとき」というエントリにコメントをいただいていたのだが、自分の研究(なんの研究だ^^;)だけで手一杯で、なかなか、ノースさんの研究成果について言及することができなかった;; 引用... [続きを読む]

受信: 2007年7月25日 (水) 06時02分

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